進取敢為

投稿日:2012年11月14日 更新日:

住友の精神は「浮利を追わず」といって、楽して博打のような金儲けをしない。
だから、お金を儲けるにも筋の通った道があるというのだ。
当然「何のために」という使命感を掘り下げなければならない。

基本的には「商売」はモノつくりにサービスの提供だが、
時代の要請にあった商品やサービスの提供で「役に立つ」利他行でなければ、
社会から必要とされない。

事業をする側の使命は、
1.役に立つのは当たり前。
  具体的=1.最先端の技術の向上
        2.お客さんのニーズを満足させる。
        3.市場環境の変化に対応するスピード感がいる。
        4.時代に対応した付加価値の創造がいる。(モノとして、サービスとして、人間の心に響く)
2.人財の育成だ。
  具体的=1.夢・志を共有する人財
        2.進取敢為のある人財
        3.自分から燃える責任感のある主体的行動の出来る自燃性の人財 
        4.嫌な事、損する事、汚い事に身を投じて捨て身で行動する人財
元々こんな人財がいるわけではない。
仲間とともに「一以貫之」一途に初志を貫徹する中ではぐくみ、人物が練れていくのである。

人間とは弱いもので、「死」ぬ気でやらないで、逃げ道を作るものだ。
しかし、そんな生半可な気持ちで行動すれば初志は貫徹されないのは経験済みだ。
決して諦めない精神がなければ知恵も出ないし、天が味方にもなってくれない。

ど真剣に一を追っかける。九十九を捨てる覚悟がいる。
普通こんな気が狂ったような決断はしないようにするのが普通だろう。
普通では普通しか出来ない。

住友には今も脈々とこの精神が貫かれているようだ。
二代目の総経理の伊庭貞剛は別子銅山の公害の後始末に植林(今の住友林業の始まり)したり、
銅の精錬場を島に移したりする。
彼が座右の銘にしたのは「自利利他」「公私一如」だ。

西洋の近代化がもたらした科学技術により豊かな物質生活を享受したことはまちがいない。
自他を分け個人を中心にする欧米の二元論的な論理主義(科学)で道理主義が軽視され、
日本が古来から育んだ「一如」の文化までが陳腐化して物質化(唯物論)されてるように感じる。


歴史に学ぶとき、今の自分が映し出される。
「進取敢為」の精神を未来へ受け継いで行きたいと共感する。

みなさんは親から、尊敬する人からどんな精神を未来へ受け継いでおられますか?

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