「安心立命」から「文明維新」にまで高める。

投稿日:2020年5月13日 更新日:

近代合理主義は自律的人格と科学的管理法によって成り立つ社会を目指し、ひたすら相対的な知性(収斂知性)を磨いてきた。
マスコミはじめ、二院内閣制の議会運営も、まさに唯物弁証法(正反合)のぶつかりあって、合意点を見つける議論を是としている。
それが飛躍だというのだ。(論理の矛盾を排除した人為的なもの)人間は元来矛盾した存在。

人間には宇宙が持ってる調和しようとする発散知性がある。西洋では「愛」、東洋では「慈悲」「利他心」での行動だ。
現実を100%受け入れる心の姿勢で、他者へ与える思考する知性だ。宗教のように個人の安心立命といったレベルでなく、
ご近所や業界さらに近代文明そのものを少しずつ変えていく世界観まで高める。
そのためには革命といった過激な方法や武力でなく、明治の幕藩体制からの文明維新を思い起こせば理解が深まる。

だからと言って、仰々しく考えることはない。腹痛になったら「陀羅尼助」を飲む。解毒剤だ。文明が利己的欲望を達成するべく世界はグローバル化した。
もちろん資本主義社会ではお金は24時間金利を稼ぐが人間は労働時間内だけだ。この貨幣と言葉と法が不自然な不平等を作っているのが事実だ。

無意識にお金が命、お金があれば自由自在になるという妄想に駆られているのが近代合理主義に生きる人間の姿だ。誰もこのことを疑わない。
ところがコロナウイルスは私たちの利己心に解毒剤のようにブレーキをかけてきた「譲り合え、助け合え」そして「奪い合うな」と叫ぶように自粛を求めている。

「法」を順守する首相の建前は弱者救済と叫びながら、人権の自由を抑圧するなという国民の声にアクセルとブレーキを両方踏んでいるような事態で手を打つのが遅れている。
私たちは今問われてるのは民主主義か共産主義かといったイデオロギーではなく、自然の再生産を循環させるように共生する思考と生活を生み出すことである。
欧米では少子化に対応して社会的流動性を高めて個々人が社会に自分の能力を発揮しやすい環境を作ろうとしてる。一方日本は未来の子供たちのために、
どんな社会を残そうとしてるのか明確なビジョンがない。工業化社会ではより効率よく効果のある科学技術者を作ってきたが、世の中を動かすリーダーを作ってこなかった。
情報化社会での技術もアメリカや中国に後れを取って、今から25万人の技術者を養成しようというのでは遅きに失する。しかしこれは実現しなければ世界で孤立する。

さて、リーダー人材とは何かを問えば、五つの条件がいると言われるのは致知出版の藤尾秀昭さんだ。
1、修身(リーダーの一番の条件だという。個人主義は結構だが権利一番は心の狭い人物になる)
2、実行力(実力とは実行力だ。力のない人ではだめだという)
3、感化力(人を巻き込み人の意識を奮い立たせる)
4、勇猛心(自己と組織の向上のためいかなる困難も臆せず奮い立つ心)
5、ロマンがある(方向を指し示す力と何よりも思いやる心がある)

明代の呂新吾の言葉に、
「寛厚深沈 遠識兼照、福を無形に造し、過を未然に消し、智名勇功なくして、天下陰にその賜を受く」
意味=どっしりと落ち着いていて、広い見識があり人の知らない間に福を作り、禍は未然に消す。そして誇らない。

花は香、人は人柄、まずは大きな世界観を持った自分を創ることだ。

皆さんは今の文明をどうしたらより良い方向に行くと思われますか?

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