たくましい人間フランク

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たくましい人間フランク
五木寛之さんが「新幸福論」と言う本を出された。
実に世の中の空気を読んでおられるといつも感服する「表題」だ。

その中の最後の節に「絶望の中の小さな幸福」に、
第二次大戦中、ナチスのアウシュビッツから生還されたオーストリアのフランク医師の話がかかれてる。

フランク医師の「夜と霧」という本は1956年の発行だったそうだが、
高校時代に友人から借りて読んだが、写真がついていたが見れなかった記憶がある。

この医師は精神科の医師でフロイドやアドラーに師事してウイーン市立病院精神課の部長で、彼の両親と妻は死んだが、彼は生き残った。
その理由がすごいと五木さんは書く。

普通には1)強靭な身体の持ち主
      2)要領よく立ち回る
      3)智慧が発達して対策を考えれた。
理由=上記三つの条件でなく「人間的であること」〔意味は以下の本からの引用をお読みください〕

食料は与えられない厳しい労働、人間としての尊厳は一切奪われ自由もない生活にあって、
自然や芸術に感動を覚えることで生き延びたのだ。〔人間的である〕

本の一部が引用されているので書く。

「とうてい信じられない光景だろうが、 私たちはアウシュビッツからバイエルン地方にある収容所に向かう護送車の鉄格子のすきまから、 頂が今まさに夕焼けの茜色に照り映えてるザルツブルクの山並みを見上げて、 顔を輝かせ、うっとりしていた。
私たちは、現実には製に終止符を打たれた人間だったのに・・・
あるいはだからこそ・・・何年ものあいだ目にできなかった美しい自然に魅了された。」 

「世界はどうしてこんなに美しいのだ」

またある気の会う仲間と、一日少なくともひとつのジョークを考えようと決めて、
悲惨な生活の中で無理やりひねり出したジョークを披露しあったそうだ。
ユーモア=「自分を見失わないための武器」とフランク医師はいってる。

今、日本中に蔓延する閉塞感や、中途半端な幸福感とは違う、
小さな出来事や自然が時間とともに姿を変える美しさに感動する人間としての、
味わう心が乾いているのではないだろうか?

平安時代にも江戸時代にもあった、戦前にもあった心の感動こそが人間的であることだ。

戦後、焼け野原になって、モノを豊かにすることと、人間的心を同時に創っていけば良かったのに、モノを豊かにすることを優先し、美しい心をつくること後回しにしてしまったように感じる。

現代を生き抜くには、モノを豊かにすることは必要条件だが、
桜を愛で、桜の潔さを美しいと思う心を育むことは充分条件だ。

たくましい人間とは、強靭な身体でも、智慧でも、ずるさでもない。
人間的であること。

みなさんはどう思いますか?

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