落語と笑い

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落語と笑い
僧には「学僧」と「唱導僧」がある。
「唱導僧」というのは半僧半俗の身分で、
抑揚をつけて手振り身振りで仏教の説話を語る僧のことを言う。
この元祖は安居院流の澄憲〔から203年没〕聖覚〔1167から1235年没〕親子で、
浄瑠璃に影響した唱導の三井寺派、定内の二派がある。

イメージすると琵琶法師が語る「平家物語」のようなものだ。
現代伝わる「能」「狂言」「歌舞伎」「文楽」「講談」「落語」も起源は唱導僧の技から発展したものだ。
世阿弥はこの芸術の奥義を「一座建立」と表現して、舞う人と観る人が一体となる。
言い換えると受け念仏を唱え大衆が一緒になって気分が高揚し乗ってくる。
そして一体化することだ。
現代でも芸人は「うけた」「うけない」と自分の芸の評価をする。

宗教が落語と言う文化を生み出し、笑いに消化できるのは日本仏教だけだろう。
私も昔から落語が好きだ。
語り口調のリズム感や抑揚が心地よく、
「柳亭痴楽いい男、映画俳優で言うならば長谷川和夫か錦之助・・・・・・」と、
七語調のリズム感のいい話しっぷりを真似た。

また、「壽限無」という落語は、子供が生まれてお七日夜に名前をつけるという事で、
お寺の坊さんに相談に行き、お経の中からつけてもらうのだが、
実に長い名前になるという間の抜けた話しだ。
これも仏教の説教がはいってる笑える話だ。

私たちは意識するしないに関わらず仏教的風土で育っていることはまちがいない。

話しは変わるが、中途採用の女性営業の面接をした。
彼女はNPO活動に参加し、バングラデシュに家を建てるボランティアをした話をしてくれた。
バングラデシュで同じ部屋で一緒に活動した人のことを一心同体のように感じたという。
病気すれば気になって眠れない、病院にいけば、つたない英語で一生懸命話す。

電車に乗ると地元の人とも二週間もすれば笑顔で挨拶できるし、
笑う事がとても多かったという。〔異文化の地で開放的になっていたのもある〕
日本にいるときのような便利さはなく、
基本的な水が出ない、昼から電気が止まるという不自由がある。
そこで何とか、一歩でも自分で解決して行こうとする。
成功したら笑い、失敗したら笑うのだ。

ところが日本に帰ってきたら、笑う事が少なく、他人との距離感があり、
親しく踏み込んで話せない状況を感じた。〔なんでも人を頼らなくてもお金さえ出せばある状況〕
しかし数週間したら人間はその状況になれ笑わなくてもも暮らせるように適応する。

貧しいく、電気も停電したりするし、食べ物の衛生状態も悪いが、
バングラデシュには人間がつながってるという感じがし、
生きる力が湧いて来て生きてる実感があるという。

「衣食足りて礼節を知る」と言う言葉があるが、
彼女の話を聞いていて「衣食足りて絆を閉ざす」となってるように感じる。
豊かさとはモノと心が一体となって連動してこそ幸せを感じるのではないのか?

みなさんは毎日笑ってますか?

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