今こそ中江藤樹翁に学ぼう

投稿日:2012年7月19日 更新日:

今こそ中江藤樹翁に学ぼう
「翁問答」下に書いてある。

『苦痛は只人人(ただにんにん)の惑いにて自ら作る病なり』

意味=苦痛というのは、ただすべて人が(私利私欲)迷いによって、
   自ら作った(こころの)病気なのである。

藤樹翁によると自分でつくってるのや。
だから、自分の外をいくら変化させても、
自分の心の根本を変化ささないと治らないと以下のように解く。

『農人の耕耘(こううん)は勤労の至極なれども其の心さのみ苦しみ無し。
 大禹水を治めたもうは勤労の至極なれども、其の楽しみ快活たり。
 此(かく)のごとくよく実理を体察すれば、
 苦楽の心にあって外相なきこと弁えがたきにあらず。』

意味=農民の耕耘は、勤労の極みであるけれども、
   彼らの心にはさほどの苦労はない。
   (古代中国の)大禹のなした治水は、
   其の勤労の極みであるけれども、其の楽しみは快活である。
   しっかりと実際の道理を体察したならば、
   苦楽は心にあって、外物にないことを知ることができるのである。

藤樹翁は日本の陽明学の祖といわれる人物だ。
『致良知』良知を致すと王陽明が書くのを藤樹翁は『良知致』良知に至ると書いた。

江戸時代は儒教を中心とした教えの中で農民や町人と共に学び実践した。
滋賀県近江の聖人と伝えられる。
滋賀は近江商人の『三方よし』の考えを産んだ発祥の地でもある。

われわれ日本の先人が考え実践した日本固有の哲学がある。
それが日本の文化を創り、風土を養ってきた。

ところが戦後、あらゆるものが戦前を否定する事から始まり、
欧米のライフスタイルや価値観を追いかけ追い越せと無批判に受け入れてきて、
物質的に豊かな世界を実現しGDP世界第二番の経済大国になった。
ジャパン・イズ・ナンバーワンと1980年代には言われ有頂天になっていた。

1989年バブルは崩壊、またベルリンの壁も壊れ東西冷戦時代が終わり、ソ連が崩壊した。
それ以来日本は自国が何をするか?方向を見失った。
今こそ、歴史に学び先哲に学び自らモノに偏った発想でなく、
心の豊かさ(良知)から発想する文化を形成、伝承する発想の転換が求められると察する。

みなさんはこの発想の転換いかが感じますか?

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