利己的な経営は破綻する
2001年アメリカ有数の大企業で不正経理によるエンロン事件、
負債総額400億ドル、2002年にはワールドコム事件大手通信会社が更生法で、
負債総額410億ドル(4兆7000億円)アメリカ史上最大の破綻だった。
日本ではライブドアーや村上ファンド、コムスン、ミート・ホープなどが、
経営の倫理観や道徳観がなく自己中心的な利益のみを追い求め倒産していった。
経営は人間が行ってるのである。神でもなければ仏でもない。
いつも己を利する気持ち(利己心)と相手を利する気持ち(利他心)の葛藤の中で、
自らバランスを取り経営するのである。
経営というのは単に会社を運営する事だけでなく、
自分の人生を生まれて死ぬまで経営するのも同じことだ。
人間の遺伝子は利己的に出来ているのである。
何故なら自分を守るように本能はインプットされてるからだ。
だから無意識な判断はいつも利己的判断をするのが、しごく当然である。
だからといってこの利己心を全面的に肯定すれば、
社会は奪い合いの戦いの修羅場となる。
逆に徹底して利己心否定すれば、
何の努力もしない腑抜けの奇麗事ばかりを言う口先だけのお人よしの社会になる。
奇麗事言って、努力せず霞を食べて生きる社会にすれば仙人しか住めないだろう。
自然界は地の栄養と太陽の光を浴び動植物は生成発展している。
松下幸之助さんは『対立しつつ調和する』と表現され、
それは夫婦のように互いが違った考えや役割をするが調和する。
一方が強過ぎると独裁的で、他方が萎縮することになりバランスが大事だとおっしゃる。
私は利己心はジェットエンジンだと考えてます。
やはり具体的な才覚や闘争心、やりきる意志力という主体性(利己心)がなければ
行動できない。
この利己心を原動力にして、
良心というか、利他心で相手に与える考えを優先するのを一番に、
舵を取ることだと信じてる。
私たちが人為で考えた事は自然の中の一部の法則を理解しただけのことであり、
人為の考えが自然の理法に寄り添ってこそ生成発展する大自然の地動説となるのだ。
自分の考えを勝手に振り回したら天動説になって自然から見放され孤立無縁になるだけだ。
そこで経営理念は自然の理法に沿い、
欲深い人間の利己心とは反対の理想的な利他心を掲げる事になる。
そうすることが継続的に調和をもたらすことが出来る自然の理法だからだ。
商人の理念として近江商人は「三方よし」を基準に誠実で嘘をつかない商いをしたからこそ、
今日まで受け継がれてる理念たり得るのである。
私たちが誰にも負けない努力を通じて追求するプロセスにこそ、
仕事・人生の生きがいを味わい感動する結果をもたらすことは間違いなしだ。
みなさんは自分の経営を利他行一番で運営されてますか?