心の病

投稿日:2012年8月7日 更新日:

心の病
現在の心の病(精神病)は統合失調症(精神分裂病)、双極性障害(躁うつ病)、
発達障害など、いろんな名前がついている。

あくまでも外から見た目での精神状態を表現した西洋的な病名のつけ方で、
薬でホルモン出したり、出さなかったりコントロールして治す方法だが、
どうも病気を悪化させてると精神薬を多く出すことを禁じると厚生労働省が発表した。

江戸時代までは漢方医学が中心で蘭学による解剖や手術の技術も入ってきていた。
心の扱いも当時は子供か大人という考え方を治療するのが主流だ。

孔子の『大学』には「明徳を明らかにする」のが大人である。
「大学」とは立派な人間として子供から脱皮し大人になることが書かれている。

中江藤樹先生は陽明学の日本では創始者のように言われてるが、
『大学』のついては「大学孝」「大学蒙註」「大学解」と詳しく書かれたものがある。

藤樹先生は論語の「意なく必無く固なく我無し」を引用され、
生まれたままだと意必固我の病(生まれたままの子供の心)、
目や耳で外物(外の世界)を追い求めて利欲の心が働き我執の心が『直き心』を失い
心が偏ると解く。

その我執の心の病の症状は五つある。
1)習心=その人の育った家庭や環境によって、識らず知らずのうちに身についたクセ(習癖)
    自分の願望を、とにかく外に求めようとする心の働きも、習心といえる。
2)好悪の執滞=好き嫌いという自己中心の、いわば禽獣的感情に執着して、
    そこから一歩も抜け出ようとしないクセ。大人の判断が出来ない人はこれに起因する。
3)是非の素定=あらゆる物事の良し悪しを理解しようとせずに、最初からこうだと決め付けて
    しまうクセ。
    平生から視野が狭く、頑強な人はここに原因がある。
4)名利の欲=世間の名声や高位高官、金銀珠玉が一番の宝だと信じて、
    それを獲得しようという心の炎である。
    自分より上位にある人がいれば、必ず妬みの心が生じる。
5)形気の便利=人よりもすぐれた才能や、特技を持ってるがゆえのクセ。
    己の優越心がかえって禍となって、人を見下げたり、馬鹿にしてしまう結果をもたらす。

この心の病はそれぞれ独立して起るのでなく、無意識のうちに混ざり合って、日常の習癖、習性になる。
従ってこれを取り除くには徳のそなわった師について切磋琢磨することだと解かれる。
ご自身は生涯にわたってこの徳を磨くことを目的に学問に取り組まれた。

現代のように物質が豊かになり、生活に困らない若者は大人になり自分を磨くより、
自分の欲望を果たしたい我欲に負け精神病という名の逃げ場所に逃げ、
引きこもり駄々をこねてるとしか思えない。

『艱難汝を玉にする』ということわざがあるように、
物質に恵まれて育つことより貧困のほうが人間を必然的に強く育てる最大の条件かもしれない。
もしそうでなければ志を高く持つことが自分を磨く事だろう。

みなさんは心の病どう分析しどんな治療してますか?

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