「生きることは苦しみだ」の世界観(仏教)

投稿日:2021年2月2日 更新日:

仏教をはじめて毎月法話を聞くようになったのは、30代後半に縁あって、奈良の薬師寺に通いだしたのが本格的に学び始めた時でした。
当時は高田好胤さんが管主で、執事長の安田瑛胤(管主をへて現長老)の法話を聞く会に入会した。

薬師寺では第二土曜日に「成唯識論抄講」を太田久紀先生が講義されていて、深層心理学のような感じで、末那識、阿頼耶識の話を聞いていました。
我々凡人は一般的には良い仕事を探し、幸せな家庭を築き穏やかな老後を迎えるという価値観が普通だ。
そのためにはしっかり学んで、いい進学高校に入り大学に行って一流の会社に入るのが親の願いでした。

もちろん私はアウトローでしたが、「一切皆苦」と思えという「生きることが苦しみだの世界観」の仏教には未来の希望が感じられず暗いイメージしかなかった。
ところが学んでいくと大変面白くなったのはお釈迦さんみたいな人は過去に何人もいるという世界観なのだ。
未来は56億7000万年後に現れるのが弥勒菩薩という人だと予言されている。この方がお釈迦さんになるというのである。
日本では平安時代にお釈迦さんの教えがなくなる末法を迎えるのですが、お釈迦さんも人間と同じで80歳で死んでいくんです。
予言として500年は正法と言って、お釈迦さんが説いたことは正しく伝わる、次の500年は像法と言って仏像がいっぱいできて菩薩だ如来だとなる。
それから1000年後はもう全くその教え(法)が消えて誰も知らなくなるのが末法だ。

仏教はお釈迦さん一人からスタートしたのにどんどんいろんな仏さんが増えていくが、根本は「仏法僧」の三つだと言ってる。
仏は釈迦、法は釈迦が語ったこと、僧はお寺さんでなくサンガ(僧伽)と言って「律」を守って生活する出家集団を意味する。
僧のことは比丘、比丘尼とよぶ。

誰でも楽しく100%生きたいのが願いであるからこそ、
逆説的に「生きることは苦しみだ」という世界観から課題を解決する方法を解いたのである。

私は一宗、一派の宗教を指示しなさいというのではありません。キリスト教が合うならそれもよしです。
とにかく、仏教で伝えたいのがこの「仏法僧」の三つを教えていることに感激したのである。
だからと言って、僧になって托鉢して暮らせというのでなく、ビジネスの世界でどう生き抜いて生きがいを作るかを知りたく学んだ。

その教えは現実を100%苦だと言い切れたら、現実を一歩でも片付けたり、行動して移動すれば苦から楽に向けて歩くことになる。
誠実に現実と向き合い100%肯定する「今」を、人間の「生老病死」も受け入れ、流れるように逆らわず生きる。
ただそれだけを伝えている。人間の五体をフルに活用し努力して行動しないと楽にはならないのだ。

その習慣ができたら「極楽」が現前する。そんな「律」を守るのは一人では大変なので「集団」で生活する。
ただそれだけだ。
実にシンプルだ。
これは毎日会社に行って働いて、家族団らんで食事し会話する、ふろに入ってゆっくり体を休める。
実に極楽なんですね。
ところが人間はこの現実に飽き足らず不平不満を言って愚痴をこぼし、時には人を憎み、もっともっとと貪欲になる。
これを三毒(貪瞋痴)と言います。人間はこの生きたい欲との闘いで苦しんでいるのですね。
見事其れを言い当てているだけなのですが、時々欲が主人になって迷ったり、悩んだりして苦しんでいる自分がいる。
西洋のように自分の外に神や仏があるのでなく、仏教では自分のうちの仏を引き出して磨けと訴えているんですね。

逆説的ですね。お釈迦さんは!!!

皆さんはお釈迦さんの一切皆苦をどう受け取られますか?

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