アダム・スミスの「道徳感情論」

投稿日:2021年6月28日 更新日:

私は『国富論』がアダム・スミスの代表的な著作だと考えている。
その第一編では「分業論」について論じており、産業革命以後自由に競争して、ものづくりを分業することで生産力が上がることを証明した。

また、もう一つの代表作である『道徳感情論』では「幸福とは心が平安で楽しみの中にいること」と定義している。
そして結論として「正直は最善の処世術」と断言しているのである。

人間が生きていくには2つの素養を養うこととしている。
1.「理性と理解力」
2.「自制心」
だというのだ。

当時の身分社会では、
1.地位を求めて野心を持ってはいけない。
2.貪欲になって貧富の差を嘆いてはいけない。
3.虚栄心は無名と名声の差を過大評価しているだけだから、その情念に支配されない。
現在の境遇が、思慮や正義の掟を破るほど熱心に求めるに値するものではないと断言する。
身分社会の壁を感じざるを得ない。

さらに人生には2つの道があるという。
1.「富と権力を手に入れる道」
2.「知恵を極め、徳を実践する道」
ここで大事なのは「思慮」だ。
「思慮」とは、真剣に学び、常に正直に行動し、用心深く発言し、慎重に行動することだ。
実にその時代に支配者が絶対的な権力を持っていたことが感じ取れる。
当時は誰もが自由に意見が言えるような社会ではなかったのだ。

現代でも香港では英国領の時代と違って自由に批判したり、自分の意見を言ったりできない状況になりつつある。
一方で日本の現状はマスコミが日夜政治を批判し、政治のチェック機能だと言論の自由をかざす。
私たちは無意識に政治家をバカにしてはいないだろうか?
社会的などの立場でも、人間としては対等で、職務の役割ではけじめをつけ敬意を払った態度が求められるはずだ。

『道徳感情論』は時代を超えて、「思慮」を鍛え、万民が「理性と理解力」と「自制心」を養うことを願っていると感じる。

皆さんは『道徳感情論』の要約いかが思いますか?

-生き方, 経済
-