「無為自然」な独立自尊心

投稿日:2019年7月1日 更新日:

これは老子の言葉ですが、一般に道教の祖といわれて、
道とはタオ(混沌)イズムといわれるが、ここでは詳しくは書きません。

秦の始皇帝が管仲の法家の考えを元に、法治国家を作りましたが、あまりにも厳しく14,5年で亡びてしまい、
項羽と劉邦の時代がやってきて、劉邦が前漢を作ることになります。
このとき「法三章」といって緩くした、勿論儒家も衰退していたが、老子の道教を国家の儒教として取り入れることに成功するのである。勿論その後はこれも礼教と結びつ、隋、唐の時代をへてとんでもない既婚女性の殉死にまで厳しく政府が関与する。

さて、ローマの五賢帝の一人にマルクス・アウレリュウス(161から180年)がいる。
彼は「自省録」という書物を残している。
ヘレニズム文化のストア派の人々が考えた宇宙(コスモス)にはこれを支配する(理法ロゴス)があり、人間はこれに従うべきであると解く。

自然法の考え方は仏陀の「宇宙の法ダルマ」と同じ意味であり、同時に「天上天下唯我独尊」という言葉も自然の中で自然のほうに乗っ取っていき、誰にも頼らないで生きることだ。

明治の西洋文明が入ってきたときの福沢諭吉の独立自尊の精神を思わざるを得ない。
それは、自分の目で見て自分で考え自分の責任で行動する人間つくりの教育でなく、封建時代の民と同じで、国家に頼って生きる隷属的な人つくりを批判したのである。

近代は人間個人の自由と平等が当然の権利という社会秩序がつくられ、神から授かった理性が正しいという時代になった。
過去には戻れないが、理性も利己的なものでなく利他的理性を活用し、大自然に敬意を払い、無為自然を柱とする独立自尊心が望ましいと察する。

皆さんは独立自尊心をどのように創られてますか?

-生き方
-