1989年のベルリンの壁が崩壊して冷戦が終了した。
国家のあり方が自由主義対共産主義という構図が崩れ、
共産主義は人間を解放的な方向へ向かわないと自由主義を標榜する国家は喜んだ。
世界はその後1990年東西ドイツ統一、1991年ソ連崩壊、
1992年ユーゴスラビア崩壊し、EUが結成された。
1993年には欧州通貨危機、1994年メキシコ通貨危機がおこり、
日本国内では山一證券の倒産に北海道拓殖銀行も破綻し、
金融ビックバンが起こったのである。
1995年にWindows95が発売されて、本格的なIT社会になっていくのである。
お金とモノと情報が自由に行きかい、
従来の6倍のスピードで情報のやり取りが実現する時代になったとビル・ゲイツは言った。
今はもっと早いスピードで、情報の蓄積機能も加速度的に増えている。
ラディカル(自由主義)で開放的で機会の平等を実現すれば、全体として水準が上がり、
なお個々人の紛争もなくなると信じて進んできた冷戦後の世界が行きずまってる感が
ぬぐえない。
欧米では開放性(自由主義)とナショナルアイデンティティーに矛盾が起こってるのが現実だ。
トランプが叫ぶ移民排斥のアメリカンファーストと表現し、
同じようにEU離脱した英国のメイ首相もEU域内の平等による移民の受け入れや、
経済的には税制の不平等感から商取引にマイナスが起こっているのだ。
世界は北朝鮮の原爆開発により欧米の開放性(自由主義)を旗印の世界観に、
閉鎖性の強く、独裁制の国家が「悪」とみなされて、欧米が戦争を仕掛ける。
アラブのビンラディンは狙撃銃殺、イラクのフセインもしかりである。
その後、イスラム国(IS)がテロ集団化して欧米を恐怖に陥れてる。
中国は経済的な基盤をバックに閉鎖的な政治体制で独裁色が強く、
尖閣諸島に滑走路を作り、南シナ海を占領し事実上支配をしているのである。
ロシアも北方四島が日本との交渉を白紙にしたかのように、
整備し、新しく魚の加工工場を作り人口を増やそうと実行支配を強めている。
開放性が強くみんなが一番に自由の旗を振り機会の平等を実現し、
社会全体で上昇移動すると考える国家と
閉鎖性が強く独裁主義的な画一的平等感で、
計画的に発展させるという国家との戦いが、
冷戦後の今もなお国家形成の根本に支配する思想を感じざるを得ない。
人類は本当の意味で「世界平和」を実現するには現象的な課題解決と同時に、
司馬遼太郎さんの言ってるように日本の主語のない文化が持つ「共感性」
「いたわり」「おもてなしの心」といった「無私」の心を醸成する事が必要だ。
欧米の「私」という自我を認めて自由平等の「開放性」と「閉鎖性」の二つの国家形成にこだわらず、「無私」の心境で対応する人材の育成を始め着眼大局、着手小局を実現してほしい。
皆さんは日本文化の「無私」の文化如何に考えられますか?