毎日朝には新聞に眼を通す、日経新聞の社説の小さな見出しに、
「世間良し」の精神と書かれ、近江商人の「三方良し」が紹介されていた。
実に我が意を得たりと紙面を上下に首を振り眼を走らせた。
自動車会社が自動ブレーキを開発するのは、
他社との競争のために独自の技術開発するのではない。
目的は安全技術を磨き「重大事故を低減させる」のが目的だ。
将に社会的使命だ。
日産自動車では、1995年日産自動車1万台に着き交通死亡事故・重傷者が15人だったのが、
2014年の20年後には4人弱までこぎつけたと書いてあった。
「リプトン」ブランドの紅茶を展開する英蘭ユニリーバは、紅茶パーム油をNPOを通じて調達するが、熱帯雨林の伐採や過酷労働に頼る農場かを調達先から外す仕組みを作り上げてる。
ドイツのコーヒーの調達をするドイツ公正取引会社と同じ取り組みだ。
ワンダイニングという二時間での肉の食べ放題の会社も「二時間の幸せ」という価値を提供する。
ウォールマートは単に食品を売っておしまいでなく、食卓で団欒している価値の提供と食品を販売する。
最近のアパレル業界も夏物冬物のデザインや色・サービスだけでなく、
「暮らし」を豊かにする価値を提供するという目的を前面に出しているのである。
事業の目的は「利益」であると考えた時代からもっと公益性を重視した公益資本主義になってきてる。
私は大変嬉しく思う次第だ。
公益を実現するのは働く人間であるのは事実だ。
公益実現に相応しい人間像の条件は「利他行」一番にできる人だ。
仏教では利他行一番にする正しい行動原理が三つあると教えている。
1.自業自得の原理
運命が誰かが決めたものでも、誰かが与えたものでもない。
運命は自分がこれまでの行いの結果だと教える。
だから運命の主人公は自分だから自分の行動を変えれば運は開けるということだ。
2.因果応報の原理
ひまわりの種を巻くとひまわりが咲きます。
朝顔の種を巻けば朝顔が咲きます。
まいた種に応じて結果が表れるのと同じように、
良い行いから良い結果。
悪い行いからは悪い結果と、
行いに応じた結果が現れます。
因果応報だ。
3.因縁生起の原理
種がなければ花は咲きません。
しかし種だけでは、花になることはできません。
種に水や土や光が合わさって、初めて芽が出る結果となります。
種(因)が周りの環境(縁)ではじめて実を結ぶのであります。
私たちは努力するのは当たり前だが、
それを実現させる環境条件がなければ実らない。
驕らず謙虚に回りに支えられてる環境(人にも自然、宇宙)に感謝を忘れない事だ。
公益資本主義は利他行一番の人間に自らを育てる事だ。
皆さんはポスト物欲資本主義の後はどんな社会になると考えられますか?