「資本主義は人間が主人公」

投稿日:2021年3月5日 更新日:

渋沢栄一がNHKのドラマの主人公になっている。
日本の資本主義を構築し、第一銀行をはじめ全国に金融の体系を確立した。
彼は西郷隆盛のことには批判的だ。お金に関して無頓着だったからである。
報酬をもらっても、箪笥の上に置いておいて、部下が相談に来たら「お金を持って行け」と言うような無頓着な豪傑だ。

徳川慶喜の推薦でフランスに一年滞在し、近代国家の制度を学んだ渋沢には西郷のお金に対する感覚が耐えられなかったのだ。
お金が世の中の潤滑油のように回ることが重要だと分かっていたからだ。
諸外国と交易を盛んにすることによって経済を活性化させる。
そこで渋沢はイギリスから紡績機を何十台と買って、富岡製糸工場の設立に関与して絹織物を世界に出荷するのである。

さて、資本主義というお金が中心の考え方を渋沢はよしとせず、「合本主義」と人間が主人公でお金は公益のために稼ぐと考えたのである。
現在の世界の資本主義も株主資本主義(利己的資本主義)から公益資本主義へ、脱炭素化(ESG)へと舵を切り出した。

さて、日本の大家族経営は従業員を大事にする人間中心の愛情経営であるが、グローバル化とは逆行して内向きと思われる向きもある。
その特徴について4つほど挙げてみる。
1.従業員も家族の一員であり、入学や卒業、結婚式や葬儀には我が子のように考えて喜び悲しむ。連帯感を持って仕事以外のことでも話せる仲間である。
2.信頼関係は誰も差別しないで学ぶ姿勢である。事前に情報収集して知ったかぶりするのでなく、子供からも部下からも上司からも真剣に学び質問して同じ体験をしたような気持になり核心まで聞き届ける。
3.逆境こそチャンスと一丸になって考え、ど真剣に土俵の真ん中で相撲を取る覚悟で、家を守るように主体的な行動をする。まるで自分のことのように考え連帯してピンチに対応する。
4.「企業は人なり」を基本にして、各人のプライベートな生活や家族の入学や卒業、結婚や親の死別など、愛情を持って関わっていくのが常だ。

私は昭和の生活感の中で育ったし、肌の温もりが感じられる温かい意識が心地よい。
しかし、世界の経済はIT化による国境を越えるグローバル化、スマホにより個人が発信することにより自由に解放された。
一方で孤立化し、肌で感じる人間関係でなく虚飾の自分を創り孤立して社会に放り出されている面もある。
日本では核家族化も進み、住居もマンション住まいになり、人間主体でなく、情報主体の社会でフェイクな情報に惑わされる時代ともいえる。

しかし、人間関係に悩むことは何もない。三つの言葉さえあればいい。
「その通りです」「流石です」「すごい」これは自己承認の相づちです。
一日中スマホを見て「いいね」の数を数えている。
それは自分の目を自分で見られないのと同じように「いいね」の数で自己存在を確認するようなものだ。
「過去と他人は変えられないが未来と自分は変えられる」

皆さんは人間が主人公の資本主義いかが思われますか?

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