「グローバル資本主義」どこへ行く

投稿日:2021年3月6日 更新日:

資本主義には二つの考え方がある。
1.アダム・スミスの言う自由放任主義。純粋に財には規制や税制をフリーにする。あるいは働く環境には慣習や規範をなくし、金融資本には国家の介入や法律でがんじがらめにしない。そうして自由にやれば「見えざる手」(公平な観察者)バランスをとる。
2.ジョン・メイナード・ケインズは国家が介入して公共事業を率先してやることで有効需要を創出し市場をコントロールすることができると言っている。1929年のアメリカの株暴落の解決策として打ち出して、1971年のニクソン・ショックまで続いた政策だ。
ところがフリードリヒ・ハイエクの「貨幣発行自由化論」やミルトン・フリードマンの「株主資本主義」を掲げる新自由主義が1971年から台頭して今日に至る。

その結果2008年にハーバードの金融工学でリスクの証券化のデリバティブの発行により、リーマンショックという金融恐慌が起こった。
日本の金融業界も激震が走って、経済が迷走したのも記憶に新しい。

さて、世界は自由を追求し効率を求めたが経済の不安定性は解決されず、所得の格差、地球温暖化、金融の危機をはらんでいる。
ITの進化によって、GAFA(ガーファ)がネット上でプラットフォームを作って、国家の垣根を越えて世界中がつながるという事態になった。
EC(イーコマース)が40%になる現状の日本はリアル店舗の閉店が起こり、バーチャルな消費構造に大きく変化してきている。
その結果、従来の共同体的な慣習や規範、社会的連帯感、ケインズ的な国家介入による規制も弱くなっているのが事実だ。
これではますます、経済は不安定性や不平等性、不可逆性から自らの社会を自分の手で滅することになりかねない。
IT化は個人の解放を意味し、SNSで情報発信できるようになり、自由を手にすると同時に収入も得られる道具となった。(ユーチューバーなど)

さて、もう後戻りはできない。これから大事なことは利他行することと自分ひとり占めに利益を奪わないで、「三方よし」の心掛けを持つことだ。
車で例えれば、アクセルは一生懸命働けば利益を手にすることは当然だが、それも共同体のみんなのおかげでもあるとわきまえるブレーキが必要だ。
グローバル資本主義はグローカル資本主義を標榜し、アリストテレスが言う「他者との関係における善」を実行しないで欲望だけが暴走すれば、マルクスが予言したように「大蛇が自分のしっぽを食いつくす」ことになるだろう。

人間の叡智を信じ、世界の安定を願って、自らの自己変革の時期が来ているように感じる。
マルクスは「何の意味で『資本論」を書き研究したか』という問いに「人間の解放」と答え、それには二つあると言っている。
一つは「社会変革」、もう一つは「自己変革」だ。

皆さんは、グローバル資本主義はどこへ行くと思われますか?

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