政治は万民の暮らしと安全を築いて国家の青写真という設計図を描くものであり、現実にはない未来の姿を、それも万民にとって公平な未来を考えなければならない。
やりがいのある仕事であることは間違いないが、公共の交通網や基礎的な水道事業などは原則的に国がやるが、競争のない運営になると言って、民営化が進んでいる。
小泉純一郎元首相は郵政を民営化すると言って首相になった。
民営化すると競争に目を向けるため保守点検や老朽化した設備の新設にはお金をかけられないため、今後は公共事業の民営化の後始末としての課題も山積するに違いない。
松下幸之助さんの言葉に「自分の心に忠実に」という文章がある。
「自分に非があるのに謝れない。あるいは逆に、正しいと思うのに其れが口にできない。見栄や利害にとらわれてそんな態度をとっていると、だんだん心が暗くなり、力強い仕事が出来なくなる。できる限り自分の心に忠実に、言うべきことは言い、謝るべきことは謝る誠実な姿勢を貫きたい。」
事業で一番大事なのは競争と信用だ。
競争というのは外に敵を作って戦うことではなく、昨日までの自分と闘い一歩でもより良い商品、サービスをつくり、誠実に自ら誰にも負けない努力をして「世に問う」ことが成長、進化の根本を意味する。
一方、信用は約束したことを誠実に履行し、約束以上の喜びを与え、良心に恥じない行動をすることだ。
そこに信用が生まれ、取引していただいたお客さんから喜ばれ、役に立った喜びを味わえる。
その結果、世の中に受け入れられ、持続的に事業が継続されるのである。
人間の心には善悪ふたつの心が潜んでいる。少し目を離すと自分さえ良ければいいという利己心が出てくるのも人間らしい。
持続的に信用を得るには凡事徹底して誠実な利他心の行動が必要で、心にスキを作らないことだ。
若い時は早く結果が見たくて、性急になり狡賢(ずるがしこ)く手を抜くこともやったものだ。
「至誠通天」誠は天に通じる。
まさに天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさずだ。
昔のことわざに「商いは牛のよだれ」と言って辛抱強く、末永くコツコツ誰にも負けない努力をすることだと諭す。
皆さんは事業の誠を如何に考えられますか?