日本の経済の現状をマクロ的に見てみると、国内総生産(GDP)が1994年には世界の18%、2000年には14%となり、2021年には5%を世界の総生産の中で占めている。
1980年代は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と言われたのが、1989年のバブル崩壊時には円相場が144円となり、日経ダウが12月に38,916円の最高を付け、急落するのである。
不動産神話の崩壊、ゴルフ会員権の暴落と続き、数年して金融機関が再編されるビックバンが起こったのである。
今また円安が進行しており現在1ドル140円、株価は27,650円で大変な状況になっている。
ある関係筋の話では12月に経済危機がやってくるとの予測があるそうだ。
労働人口から見てみると、就労者は5963万人でその内1823万人(30.6%)が非正規雇用で、
そしてさらにその内の71.5%は年収が200万以下であるというのが現実である。
税金徴収の面から言って、正規・非正規を同じ条件にすることで働く人は喜ぶし税金はたくさん入るという仕組みを作ろうとして、私は46年経営してきて賃金を下げたことはありません。
リーマンショックの時に幹部だけ半年は一部カットしたことがあるが、半年後にはカット分も支払った経緯がある。
職場環境の向上、時短の実現、給与のアップを果たしてこそ経営の使命である。
それには業界の中で独自の戦略で他社を圧倒する商品サービスの技術力や品質力、どんな要求にも敏速に対応する組織力がいる。
情報化社会になり、今までのように資本力や商品力、サービスといった目に見えるモノが価値の優先順位の上位ではなく、それがあって当たり前の市場になっている。
情報化社会ではお客さんがネットで事前に比較検討する情報を持っているからだ。
今要求されていることは、心身一如の目に見えない心の在り方、仕事に対する姿勢である。
言い換えると、単に目に見えている商品の良し悪しでなく、どれだけその商品を愛して心からお客さんに届けているかという姿勢だ。
機械的にお金と交換している商品ではない。
仕事に対する姿勢に大切な事は3つある。
1.企業の土壌=心の豊かさ・栄養がある土で養われた使命感を持って仕事をする人間の集団である。
2.企業の文化=誠実で公明正大で、お客さんに寄り添い、利他行の心の姿勢で私心がない行動をする。三方よしの判断基準を貫く文化があること。
3.企業の風土=今まで大事にしてきた文化をみんなが共有し、さらに発展させ、より良いものを創造していくチャレンジ精神と情熱。この心の基盤と上記の2つと相まって、身体(行動)が利他的な姿勢であることだ。(心身統一)
この三つが必要な理由は良い商品も良いサービスも人間が生み出すからである。
仕事に対する主体的取り組みと身体的な行動力こそが企業が成長、発展する原動力だ。
目に見えない3つの企業文化としての仕事に向き合う心を育てることが情報化社会の時代に要求されることだ。
みなさんは情報化社会が企業に要求することをいかが考えられますか?