「幽霊」の話とコロナウイルスのメッセージ

投稿日:2021年1月13日 更新日:

なぜ冬には幽霊の話が出ないのかと考えると、冬より夏の暑い時に恐怖と不安で身体が凍り付くような感じを味わうためだ。
「ひやー(冷―)」という声が聞こえてきそうだが、最近の日本は寒冷前線が下りてきて日本海側は雪、昨日は関西の平野部にも雪が降って、朝晩は零下になった。

仏教の例え話に「蛇縄麻(だじょうま)」の話というのがある。
「ある男が夜暗い中家に帰って戸を開けると、奥に蛇がとぐろを巻いていて、恐くて仕方なく不安で一晩中寝れなかった。しかし翌朝部屋の隅を見ると蛇ではなく縄だった。一安心してじっくりみると麻の糸だった。」
これは人間の錯覚で思い込みだ。妄想といってもいい。

江戸時代の国学者で俳人の横井也有(よこい やゆう)が詠んだ句で「化物の正体見たり枯れ尾花」というものがある。
人間は何か考え事をしたり悩んでいるときは錯覚を起こしやすいのか恐れが先に出てくるようだ。

お釈迦さんは幽霊がいるとかいないとかでなく、怪力乱神(かいりきらんしん)で「無記」と答える。語らないということだ。

薬師寺では、幽霊は煩悩にまみれた自分の姿だと教えられた。
幽霊は長い髪は後ろに引かれるように、手は前でだらりと垂らし、足がないのが相場だ。
この絵には意味がある。
私のような凡夫が髪の長く垂れるのは、過去に縛られ後ろ髪が引かれ過去ばかり気にする様を表している。また前に垂らした手は未来ばかりを追い求め何も掴めず宙ぶらりんで、足がないのは地に足がついてない今の自分ということだ。

「今を生きる」と理屈では分かっていてもなかなか難しいが、これを実践した禅を学んだ外国人がいる。スティーブ・ジョブズだ。
彼は毎朝鏡を見て「今を生きる戒を実践した人物を、あなたはご存じですか」と問い続けたのだ。
禅宗では主体的に生きることを「主人公」という。
瑞巌(ずいがん)禅師という人物は毎朝鏡を見て「主人公よ」と呼び「はい」と答え、「目が覚めているか」と発し「はい」と答え、「だまされるなよ」と問い「はい」と答える習慣を作った。
臨済禅師の言う「随所に主なれば立所みな真なり」、まさに主人公で地に足つけて今を生きている。

コロナウイルスは世界の人類に「自分に自粛の戒を、他人に飛沫を飛ばさない思いやりのある主人公になれ」というメッセージを送っているように感じる。

冬はもともと寒く幽霊の話の出番がないのでわざわざ書かせていただきました。

皆さんはコロナで日常行動どうされていますか?

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