大阪石材社長ブログ

「気」に思う

投稿日:2022年2月13日 更新日:

ある人に「心ってどこにあると思う?」という質問をしたら、頭の前頭葉を指して理性だと言った。
私はびっくりした。
人間の体も感情もすべて脳から指令が出て動くのは確かであるが、「意」の世界だ。
「意」の世界と「気」の世界は違う。どちらが親かと言えば「気」が親だ。

命の力には2つあるというのは中村天風だ。
1.精神方面に表現するのが心の力
2.肉体方面に表現するのが体の力
この二つの根本的な要素は6つあると断言される。
「体力」「胆力」「判断力」「断行力」「精力」「能力」
この6つを優秀化させるのが、自分で自分を磨く方向性だ。

具体的な人間としての方向性が出る前の「気」とは宇宙の法則そのものだ。
要するに、目に見えない命に宿ったエネルギーが2つある。
1.成長欲求(向上したいという気持ち)は太陽に向かって草木が伸びるように、人間も「良識」に向かって成長していく。
2.現実に降りかかる課題を切り抜けるために、6つの根本要素を体得し学ぶことによって、死ぬことは分かっているが自分で生きることを諦めない強靭な心の力を自分で磨き上げる喜びを楽しむ。

これは宇宙の法則の「気」から発する命の条件だ。
それから理性によって言語化・論理化されて脳から体へ発信する。
身体は使いすぎると故障するし、ウイルスにかかれば病むこともあるが、心は病むことはない。
死の観念をなくせば、草木と同じで生きることへの絶対積極意識となるのである。
これが中村天風の心身統一法である。
具体的にはクンバハカ法や観念要素の更改など、いろいろテクニックはある。

話は変わるが、カントは脊柱後湾症を患っていた。
1分間の脈拍数は100回近くなり、当時の巡回の医者が馬車でやってきた。
母親は何とかこの病気を治してやりたいと医者に懇願した。
医者はカントに「君の身体は病気だが死ぬことはない、しかし心は健康だ」とこう言ったのです。
カントは今にも自殺したい、この世にこんな身体さらしたくないと悲観的にばかり考えていたが、「心は健康」の言葉をもらってから猛勉強をはじめ、歴史に残る偉大な哲学者になった。
散歩の時間も決まっていて、周りの人はカントの散歩を見て時刻を計ったそうだ。

「気」は宇宙、大自然の法則、命はここにある。
「意」は人間界の法則、意識することで喜怒哀楽を作っているのが人間。
「意」を立てれば角が立つが、「気」を立てれば100%現実を受け入れ対応できるのも事実だ。
私の恩師小田切先生が結婚式の寄せ書きに「意気色空を貫く」と書いてくださったのは43年前の事だ。

皆さんは「気」シッカリ立てていますか?

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