大阪石材社長ブログ

「矛盾が現実」

投稿日:2025年2月10日 更新日:

善し悪し、好き嫌い、損得という主観がまず働くようにできているのが人間ですね。頭で自分にとってどちらが善く、好きで得するか考え、選択するという仕組みが無意識に支配して習慣化しているのが現実だ。

幼いころから母に「悪いことをするな」「嘘をつくな」などと現実を分別するように教わった。だから、社会人になったころは騙されないように慎重になり、鵜吞みにしないようにしていた。ところが懐疑的になればなるほど、行動ができなくなって素直に聞いて騙された方がいいと考えた。

体験の少ない若い時には「お人よし」と言われ、他人にうまく使われていて、母には「人のいいのもバカのうち」とよく叱られたものだ。

さて、どのようなものの見方をすることが現実を直視し、解決を導き行動できるかと考えていたころ、恩師小田切瑞穂先生に出会って「潜態論」に出会い、現実は観念を通すから二つに分ける。
「如実知見」しろと教わった。人間は「物心一如」の存在であるというのだ。
言い換えると心という無限に考えられるものと有限の肉体が一つになってる。
主観的に見ると矛盾しているのが現実だというのであり、主観を取り去って如実に見ると一如である。

古来日本の文化は荘子に由来する「両行」、どちらが善いか悪いかというのでなく、両行だといって禅では「無」の心境を作る。如実知見する意味で取り入れられてる。
二元論超えて現実を直視することで両方認める寛容さや深さは日本人が体得してる文化だ。

我が国は漢字と仮名の両行、表意文字と表音文字の併用、武士と公家が600年もの権力と権威の両行をしていました。
明治維新には敵味方を超え江戸の人々を守ろうと江戸城の無血開城が行われたのも両行だ。

時代がどう変わろうが、常に心にゆとりを持って対処していくためには、善悪一切の正義、不正義に心が動じないことだ。

皆さんは現実を主観的にとらえると矛盾と思いませんか?

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