「心を建てる」こと

投稿日:2019年1月17日 更新日:

今日は阪神淡路大震災発生から24年になる。
兵庫県の墓地に建っている墓石はほとんどが倒れるか、部分的に壊れていた。

コープ神戸の要請で彼岸までに建て直そうというプロジェクトが始まった。
予約を受けつけたら、朝から晩まで電話が鳴りっぱなしだった。

1月17日という冬だったので、北海道の仲間に職人の手配をしてもらって、2月から3月彼岸まで復元工事を必死でやった。

盆彼岸の墓参りに先祖供養を7割の国民がする習慣は世界でも希だ。
あたらためて自分の仕事に深い意味を感じた。
ただお役に立つだけでなく、

「墓」
1.現実の幸せであろうが不幸であろうが、黙って聞いて受けいれ共感してくれる。
2.家族が震災で家を無くし、家族を亡くしても、墓に来れば誰かに必ず会える「絆」の場所だ。
3.幸運なときにはおもいあがらず、先祖への感謝を忘れず、平凡な日々に感謝でき冷静(霊性)になれる。
4.不運なときは、現実を受け入れと無言で教えてくれ、今から生きる覚悟と勇気を与えてくれる。
5.今ある自分は先祖や仲間のおかげであると感謝が湧いてきて、「希望」が湧き行動へ一歩踏み出す。

墓所に自分の身を置くと「沈黙する墓」は自らを照らし、自問自答の時間をくれる。
そこは「夢・希望」を与える場であり、過去は現在を作り、現在は末来を作ることを諭す。
人は世界中繋がってるという絆の中にいる自覚に(世界中の一人)気付かせてくれる。

私は相田みつおさんの「人間だもの」という言葉を思い出す。
失敗も良い、不完全で良い、不幸にも見舞われる。
でも「心建てろよ」と語ってくれてる言葉と受け取ってる。

さて、今日の月間朝礼1月17日のタイトルが「心を建てる」だった。
綾戸智恵さんが東日本大震災の直後、宮城県でコンサートを行われ、こんな大変なときに歌なんか聴きに来ないと思っていたら、超満員だったそうです。

綾戸さんがお客さんに、「家建てるのが先なのに、こんなとこ来てよろしいか?」と聞くと、「家建てる前に心建てないと。歌って頂戴」と返ってきた。

綾戸さんはここで自問自答し「私にとって歌は『食いぶち』だと思っていたが、あのときから『夢』になった」と語っておられる。
痛みを伴った人たちに歌い続けるしかないと考えるようになられた。
もし勇気がでるなら、幸いだと思って。

「勇気や夢」「絆」「愛すること」を与えてくれる祈りの対象の「墓」を作り彫刻し建墓する。
綾戸さんが歌い続けるように、私たちも墓を建てることで「心建てる」役立ちに邁進したい。

皆さんは墓建てる事は心建てることとおもいますか?

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