茶道裏千家・千玄室さんの本のタイトルだ。
薬師寺の花会式にこられ献茶をされたり、
講演なさって、実際にも話を聞いたことがある。
印象は大変柔和な感じを受けた。
故高田好胤さんとは親交も深く薬師寺では、
玄室さんの側近の泉本先生が安田暎胤長老の茶室で稽古をされていた。
私も十数年通わせていただいた。
茶席では客をもてなすのに、
亭主は客の好みを考えたり季節にあわせたりで、
自分の持っている一番いいものを選んで茶席を演出する。
東京オリンピック誘致のときに使われた『おもてなしの心』だ。
心が卑しければ自分の一番いいものをひけらかすことにになり、
品性がなくなることにもなりかねないところが、実に日本文化の融通無碍さだ。
「主客一体」と言うページの副題に、
『おいしいだけでなく、心を豊かにするお茶でありたいものです。』と書かれていた。
家族で食事を分け合うように、茶席では亭主と客が一体に創り上げるものと考える。
亭主は『お忙しいのにわざわざ来ていただいて本当に有難う』と思い、
客は亭主に『私のためにいろいろ気遣いをいただき大変ありがとうございます』と思う。
以心伝心、心の通い合いである。
だから表面的な味だけでなく、
心にしみじみと染み入るお茶がいただけると結ばれてた。
経済優先の現代は時短、コスト削減、生産力向上と省くことが基本だ。
『待つ』ことの大切さをどう生活に取り入れているのか考えさせら自問自答した。
「正しい」は一に止ると書く。
理屈はわかっているが『止っていない自分がいる』
「心は大事だ」
具体的な表現はどうしてるか振り返ると出来ていない。
道元は正身端坐(正しい姿勢)を厳しく躾ける。
『作仏でなく行仏』だ。
黙って坐れ!(只管打座)
『冷暖自知』暑い寒いを自分で感じ、行じろということだ。
自分の行動を振り返ると耳が痛い。
日本の茶道を世界中に広め友好親善を果たされた玄室さんの行は、
これからも続く。御年93歳になられる。
皆さんは日本の心を具体的にどう伝えられてますか?