孟子は君子に三楽あると言ってる。
君子とは大人の人格を持つ人。
小人とは普通のわれわれである。
孟子曰く、「君子に三楽あり、而して天下の王たるは与(あずか)り存せず。
父母ともに存し、兄弟故(こと)なきは、一の楽なり。
仰いで天に愧(は)じず、附して人に怍(は)じざるは、
二の楽なり。天下の英才を得てこれを教育するは、三の楽なり。
君子に三楽あり、而して天下に王たるは与り存せず。」
意味は大人人格の人は社長や総裁や大臣といった王になることが楽しみではないと
孟子は言う。
その三つの楽しみは、
1.父母が二人とも存命で兄弟は息災で暮らしていること。
2.上を向いて天に恥じる行いがなく、下を向いて人に恥じる行いをしないこと。
3.天下の英才を集めて教育すること。
孟子は自分の出世や英達が目的でないと言い切る。
この三楽を今の私に当てはめると、父は亡くなり孝行が出来ない。
母は認知症でケアハウスにいて、週に2度はご機嫌伺いに行くぐらいだ。
兄弟は兄が亡くなり、姉と妹は遠方で暮らしているので母の見舞いの時、
近況を聞き食事をするぐらいだ。みんな健康に暮らしている。
さて二つめの楽は若気の至りで傍若無人、天に恥ずることも多くやった。
また、ともに生きる家族や仲間や他人を怒りや暴言で沢山傷つけてきた。
未熟な自分を反省するのみだ。
三つめの楽について、私は恩師が二人いて20数年学ばせていただいたが、
その意味を理解し、誰かに伝えたかといえば充分ではない。
これからは自分の体験や学んだことをさらに深め広めるとともに、
たった一人でもいいから、伝える努力をすることだ。
恩師小田切瑞穂先生は禅の言葉で「一箇半箇」といって、
一人前か半人前に伝えればいいと自分に言い聞かせておられたのを昨日のことのように
思い出す。
みなさんは三楽チェックされてどうですか?