孔子先生もわれわれと同じ人間だ。
1、「鬼神を敬してこれを遠ざく、知と謂うべし」(雍也第六)
意味=神霊には敬意を払うが、そういう世界には近づかない。
それが賢明たな態度だ。
2、「子、怪力乱神を語らず」〔述而第七〕
意味=孔子先生はミステリー、バイオレンス、ポルノやオカルトに関して語らない。
孔子が新興宗教的に語らないのは、
お母さんが巫女さんだったとされていることに由来すると考えられる。
母親の道ならぬ恋の結果生まれた子であり、親孝行ですから親を批判はしませんが、
反感があったと考えられ、超常現象は遠ざけたようだといわれてる。
私は博打をしないのは父親と兄が好きで人生途中下車した姿を見てるからだ。
また、酒飲みの親には反発から酒を飲まないという友人もいる。
孔子もわれわれと同じで、育った環境の影響を受ける普通の人間の感覚を
持っていたに違いない。
2500年前の当時は世の中がひとつにまとまらず乱れていた。
国取りの争いは平和な生活を理不尽にこわし、
人々は何かにすがりたい気持ちで一杯だったことが想像できる。
孔子は「天を信じる」という姿勢を崩さない、
それはこの世を生き抜くための現世的な心構えを訴え、
「仁」による理想国家をつくりたかったのだ。
信じるものが救われたり、教祖の足を触ったら病気が治るようなオカルトでなかったからだ。
それもまっとうに努力し、学び視野をひろげ誠心誠意ぶつかる正攻法を語ってる。
このまともさには誰も口を挟めない。
孔子は富についても正攻法だ。
「富と貴きは、是れ人の欲するところなり、其の道を以って是れを得ざれば、処らざる也。
貧しきと賎しきとは、是れ人の悪むところなり。
其の道を以って是れを得ざれば、去らざるなり。
君子、仁を去りて悪くにか名を成さん」〔里仁代四〕
意味=金持ちになりたいし、出世もしたいと考えるのは人の常である。
しかし、あくまでも正攻法でそうならないとつまらない。
貧乏で下積み生活は誰だっていやなものだ。
けれど正しい行為をして貧乏だったり出世できなかったのであれば、
おおいに胸張ってそれを楽しもう。
そもそもお金を稼ぐのには目的がある。あくまでもお金は手段であるから、
お金や出世が目的になるのは本末転倒なんですね。
孔子は結果よりそこに至る過程を大切にすることを説いてるのである。
自分に照らして、「行動できてる」と問われたら?脱帽だ。
みなさんは孔子先生をどんな人と想像されますか?