「心を高め、磨く」ことは物心両面の幸福を運ぶ。

投稿日:2019年11月6日 更新日:

孫氏の兵法の基本は「戦わずして勝つ」である。
自分の命を無駄にしないことである。

そのために、逃げ道を考えて戦うのも一つだし、嘘をついてごまかすのも方法だ。
しかし、こんなごまかしの方法では敵に悟られてしまって、駄目である。

具体的には、戦うために必要な物資があるか、とか、
兵士の心が一つになり大義を貫いているか、ということが重要だというのである。

現実の自由経済社会でも、仕事は日進月歩戦いであるといっても過言ではない。
もちろん、戦争のように敵を倒すことではなく、現実の技術やサービスをよりよくするために、
昨日の自分の技術での商品サービスを一歩でもよりよくする戦いである。

そのためには常に学び見識を広め、「心を高め、磨く」努力がいる。
白隠禅師の「坐禅和讃」では、
「衆生本来仏なり、水と氷のごとくにてーーーー」
とあるように、元来、人間は水の性質を持っているのである。
頭も情報処理の道具であるから、情報をインプットしアウトプットする。
ところが、自分の欲が入ると正しくインプットできないのが人間だ。
だから無心になり、私利私欲を少し横に置いて、観察することを会得する。(如実知見)

心も同じだ。
コップに入っている水が心だとしたら、放っておくと水は腐る。
流れているか、新しい水に入れ替えないとだめだ。
心が自由自在になるのは、心を高め磨く努力をしている時だ。
体も同じだ。
無理しすぎると逆に壊してしまうが、
しっかり動かして使わなければ筋肉も落ちていくのである。

さて現実的には「心を高め、磨く」には、強い“意志”がいる。
それだけでは実現しない。
もう一つのベクトルは、「愛」だ。
他人を思いやり、他人の喜ぶことを行動する強い「愛」は、自発的に自分を突き動かす必要がある。
それは子を思いやる母のような自発的な「愛」である。

「習慣は第二の天性」といわれるように、日々の生活の中、仕事を通じて自分の心を高め、
生まれた時よりも少しでも成長させる習慣を身に付けることが、幸福を手にすることになる。
「心を高め、磨く」ことが物心両面の幸福を味わうこと、間違いなしだ。
さらに、相対的な分別に生きる我々は積極、消極と二元論的に考えるが、
中村天風は「絶対積極」で明るく生き、消極的な観念を更改する事をせよ、と言いきるのである。

皆さんは、心をどのように高め、磨かれていますか?

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